
卵巣は、子宮とともに妊娠・出産にはなくてはならない器官です。子宮の両側に伸びた卵管にぶら下がっているのが卵巣で、1つの卵巣の重さは約5~15g、ちょうどウズラの卵のような楕円形をしています。灰白色をしており表面がでこぼこした臓器です。
卵巣には女性が生まれたときから原始卵胞という卵子のたまごが数百万個もたくわえられています。思春期になるとこの原始卵胞が成熟し、約1ヵ月ごとに1個ずつ卵子となって排出されるのが排卵で、卵管を通って子宮に運ばれます。女性の一生涯のうち、この数百万個の原始卵胞で、成熟して排卵するのはせいぜい400~500個しかないといわれ、それ以外は退化して消失することがわかっています。
卵巣でさらに重要な役割をしているのは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2つの女性ホルモンが分泌されていることで、女性らしい身体を作り、健康や精神状態の安定のために重要な役目をしています。
卵巣の病気の進行は少し気付きにくいことになっています。卵巣というのは、片方の卵巣に腫瘍などのトラブルがあったとしても、もう片方が正常に働いていれば、月経も普段と変わらずにあり、妊娠も可能です。自覚症状もないため、卵巣に病気があったとしてもある程度進行する時点まで気づきにくいのです。早期発見のためにも定期的に検診などを受けることが大切です。
卵巣の主な病気としては、卵巣につながっている卵管が外部からの細菌などによって炎症を起こしたときに併発する「卵巣炎」、卵巣に腫瘍ができる「卵巣腫瘍」、卵巣腫瘍の悪性のものが「卵巣がん」などがあります。「卵巣炎」は抗生剤などで治療することができますが、「卵巣腫瘍」は良性なら経過をみながら大きい腫瘍ならば摘出手術をします。「卵巣がん」は転移性のものと原発性のものがありますので、早急に精密検査をおこない、医師の指示を受けなければなりません。